こんにちは^^
この記事では、賃貸物件の退去費用について知っておきたいことをまとめました。
不動産関連のことって、一般市民が情報弱者というのもあって、結構ぼったくりもあるそうで・・・
必要な知識をつけて、不当な請求に応じなくて良いように備えたいですよね
賃貸物件の退去費用
賃貸物件の退去時には以下のような費用が請求されることが多いです。
・ハウスクリーニング代
・鍵交換代
ワンルームだと地域にもよりますが約5〜6 万円くらいが相場のようで、悪い業者だと10~30万程請求してくるところもあるようです。
退去時には引越し費用や次に住む家の敷金・礼金もあるのに、こんなに払ってられないですよね。
しかも不当請求・・・泣
業者の請求額を鵜呑みにせず、おかしい部分はおかしいと交渉することが大切です。
怯まずきちんと交渉するには、知識が必要。
次の章では、退去費用の範囲と義務について確認していきます。
退去費用の範囲と義務
国土交通省の【原状回復をめぐるガイドライン】に基づいて、退去費用の範囲と義務を知ることが重要です。
- 自然損耗は負担しなくて良い
- 過失による汚れや傷は<耐用年数に応じた残存価格>&<対象範囲の最小単位のみ>負担すれば良い
- 次に住む人のための費用(鍵交換代など)は負担しなくて良い
- 賃借契約の際の特約に上記に反する不当請求に同意する旨が記載されていても無効となる場合が多い
一つずつみていきましょう。
自然損耗は負担しなくて良い
「原状回復」と聞くと、住み始める前の状態に戻さないといけないと思いがちですが、普通に生活していて生じた汚れや傷みについては家賃に含めれているため退去時に負担しなくて大丈夫です。
例えば、下記のような通常使用により発生すると考えられる損耗については、修繕費を支払う必要はありません。
・家具設置による床の凹み
・壁の画鋲の穴
・テレビや冷蔵庫の壁の黒ずみ(電気ヤケ)
・フローリングのワックスがけや色落ち
・クロスの自然な汚れ、変色
過失による汚れや傷は [耐用年数に応じた残存価値] & [対象範囲の最小単位] のみ負担すれば良い
一方、借主の過失により生じた消耗については、負担する義務があります。
例えば、下記のような自然消耗以上に生じた部分については、支払いに応じなければなりません。
・タバコのヤニや焦げ跡
・引越し作業で生じた引っかきキズ
・壁の落書き、クギ穴、ネジ穴
・結露を放置したことにより拡大したカビ
しかしながら、全額負担しなければならないということではありません。
耐用年数に応じた残存価値を負担する
耐用年数に応じた残存価値分を負担すれば大丈夫です。
例えば、耐用年数が6年のものであれば、入居時新品であっても6年住んで退去する時には残存価格が1円になります。
過失により汚してしまったカーペットの張替えに6万円かかるとして、入居経過年数が3年であれば半額の3万円を、6年であれば1円負担すれば済むということになります。
減価償却の考え方に基づいて、現在の価値に対して負担額が決まります。
対象範囲の最小単位を負担する
フローリングに傷を付けてしまった場合、全面張り替えの費用を負担する必要はありません。
傷を付けてしまった範囲を修復できる最小単位(メーター計算)を負担すれば十分です。
次に住む人のための費用(鍵交換代など)は負担しなくて良い
退去時に次に住む人のための費用を借主に請求することは認められていません。
鍵交換代などはオーナーが負担すべき費用です。
また、鍵交換については、入居時に請求されている場合がありますので、入居時・退去時の二重請求には注意が必要です。
賃貸契約書の特約に上記に反する不当請求に同意する内容が記載されていても無効となる場合が多い
賃貸契約の際の特約に、上記に反する不当請求に同意する内容が記載されていることがあるそうです。
・畳の取替え費用を負担します
・クロスの全面張替え費用を負担します
・退去時の鍵交換費用を負担します
などなど・・・。
これを以って、「入居時にサインしてますよ」なんて脅しもあるようです。。(ひどい話。。)
特約が法律上認められるためには次の3つの条件を満たしている必要があります。
- 具体的な金額が明記されていること
- 契約者がきちんと内容を理解していること
- その特約が記載されたページに記名・押印があること
多くの場合、入居者の記名・押印は最後のページあり、特約のページにはしていないことが多いそうなので、その場合は特約が無効となります。
「入居時にサインしてますよ」なんて言われても、「その特約が記載された箇所には押印がありますか」と伝え冷静に対処することが大事です。
退去費用の請求書チェック項目
ここまで、退去費用の範囲と義務について確認してきました。
実際に退去費用の請求書を受け取った際のチェック項目を整理しておきます。
※業者によっては明細が記載されていない場合があるので、その場合は明細を要求する必要があります。
- 通常使用の損耗が含まれていないか?(クロス全面張替えなど)
- 過失による傷・汚れの修繕費として妥当か?
- 鍵交換やクリーニング代は入居時・退去時の二重請求になっていないか?
- 相場から著しく逸脱していないか?(ワンルームだと約5〜6万)
2つ目の、過失による修繕費が妥当かどうかは中々判断しにくい部分ですが、
例えば、クロス交換であればどの箇所を単価いくらで何m2と記載されているかを確認し、次の観点でチェックします。
1)クロスはメーターあたり700〜800円が相場。1000円以上取られていないか?
2)高さ(2.5m)×幅何mとして盛られすぎていないか?
ちなみに、床はほとんどの場合クリーニングだけで良いそうです。
退去時の手続きのコツ
退去時のステップは以下の通りです。
- 賃貸契約書を準備する
- 解約通知書を郵送する
- 解約日までに退去&鍵を郵送する
- 退去費用の支払いをする (※不当な請求があった場合は交渉する)
トラブルを最小限に抑えるには、退去立会はせず退去日までに解約通知と鍵の郵送を以て手続きを完了させること、および家具撤去後に部屋の状態をたくさん写真に残しておくこと(全体+各所のアップも)が重要です。また、不当な請求があった場合の交渉はメールで行い、全て記録を残します。
解約通知書に関して
解約通知書は、不当な点がないか確認し(特に契約書の最後あたり)、該当箇所には全て二重線を引いてその上に印鑑を押します。
万が一、記載内容を強要されたら、支払わないといけない根拠をメールで送ってくださいと伝えましょう。
また、解約通知書には以下の内容を追記します。
・入居時からあったキズに関する指摘
・退去立会はしない旨
・鍵は退去日までに郵送で返却する旨
・賃貸契約書の特約は無効と主張する旨
・「退去費用はガイドラインに沿っていただきますようお願いします。原状回復費用を請求される場合、減価償却部分を明確にしたいので、貸主側の立証責任において、最初から新品だったかどうかを証明する写真や領収書も添付してください。」「金額は専門家に確認してから返事します」
・「今後のやり取りは全てメールでお願いします」と記載し自分のメールアドレスを添える
解約通知は、配達記録が残る方法で送るのがベターです。
電話をかけてきても無視をするか、「専門家からのアドバイスで全てメールでお願いします」と言ってすぐに切りましょう。
悪徳業者への対応
大手の会社でもぼったくりはあるそうです。
以下のように脅されても屈しなくて済むように、心構えしておきましょ。
・退去日までにハウスクリーニング代&鍵交換代を支払ってもらわないと解約手続きできません
・退去立会をしないと翌月も家賃かかります
・支払いに応じない場合、訴訟します(or 法的手続きとりますよ)
ガイドラインには法的効力もあるので、理論的に堂々と、不当な請求についてはNOと主張し、「強制するならメールで根拠を送ってください」「専門家に相談します」と伝えましょう。
稀に、退去費用をオーナーや管理会社に拒否しても、保証会社が先回りして立替し後日請求してくるパターンがあるそうです。。
こちらも同様に応じる必要はありません。
自信がなさそうにしているとつけ込まれるので、ハッキリとNOを突きつけて、適切な金額に修正してもらってはじめて署名・支払いに応じましょうね。
その他、退去費用を安くするために
過失による汚れや傷は火災保険で直しておく
過失による汚れや傷については、耐用年数に基づいて修繕費を負担する必要があると述べましたが、火災保険の「借家人賠償」を利用して無料で直せる場合があるそう。
事前に直しておけば退去費用をさらに抑えられるので、ぜひ利用したいですね。
ちなみに退去時には使用できないので、傷や汚れがついた時に都度対応する必要があります。
部屋に最初からあった備品は全て揃えておく
意外と盲点ですが、部屋に最初からあったものは、ちょっとした物でも全て揃えておかないと思わぬ請求を受けるそうなので注意したいところです。
おわりに
退去費用のぼったくりに遭わない方法をまとめました。
一生懸命稼いだ大事なお金なので、不当にぼったくられず、新生活のために使いたいですね✨